2017年3月5日日曜日

自衛隊自主防衛化計画 毒島 刀也

在日米軍撤退後に日本の自主防衛にいくらかかるかを試算
 
本書の構成は

第1章 自主防衛化にはこれが必要だ!
第2章 自衛隊と在日米軍の戦力を徹底検証
第3章 日本周辺の軍事的脅威を徹底分析

となっており、それぞれ、ミクロ的な視点を駆使し記載されています。

 本書の結論は表紙に書かれている通り
【自衛隊「自主防衛化」計画 追加兵器総額 22兆8,013億円】
です。ただしこれは、20年計画であり、年換算だと、
1兆1,400億円/年ということになります。

 本書の特徴としては、上記金額をミクロ的視点から積み上げて算出したことにある。
すなわち、陸海空それぞれ、どんな兵器がどれだけ必要で、
それはいくらか?というものです。
 例えば、14ページの「海自兵器一覧」では、自主防衛に必要な海自兵器調達費を
8兆7,905億円とし、内訳を

・65,000トン級正規空母 × 4隻 (1兆6,000億円)
・戦略原潜 × 4隻 (2兆3,200億円)
・攻撃型原潜 × 4隻 (1兆2,800億円)
・新型潜水艦 × 4隻 (3,040億円)
・船舶用/潜水艦用原子力機関の開発 (3,000億円)
・8,200トン型護衛艦 × 4隻 (6,800億円)
・あかづき型汎用護衛艦 × 2隻 (1,500億円)
・あさひ型汎用護衛艦 × 16隻 (1兆2,000億円)
・新型補給艦 × 4隻 (2,000億円)
・P-1哨戒機 × 20隻 (2,400億円)

としています。
 本書のコンセプト通り、具体的な兵器名や推定調達金額が記載されていて、
解り易くなっています。
また、兵器の写真・イラストも豊富でイメージが掴みやすいのも本書の特徴です。

 個人的には、50ページから58ページまで記載されている、
イギリス軍と自衛隊の比較の論証が興味深かったです。
周囲を仮想敵国に囲まれた日本と同盟国に囲まれたイギリスでは事情は異なるものの、
同じ島国として参考になる点が多いとい主張は説得力があります。

 加えて、自衛隊の問題点の抽出、在日米軍の戦力分析、
日本周辺の軍事脅威の分析等、現在の日本を取り巻く環境を丁寧に分析しています。

 自主防衛には30兆円必要!等々、掛声だけの本とは一線を画し、
丁寧に作られている良書と思います。

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