2020年7月28日火曜日

嘘だらけの日仏近現代史 倉山 満

なぜフランスが「大国」と呼ばれるのか?


一般的なエレガントな雰囲気のフランス像を見事に壊す本と言えます。
ごくごく浅い、かつ、一般的なフランス像が如何に誤りであるか?
その辺は本書を読み進めれば理解できます。

特に印象的なテーマは、

フランスは戦争にしょっちゅう負け続けているのに、
歴史的に「大国」という扱いを受けているのは何故か?

ということですね。

この辺りを考えると、
今の日本も見習う必要が多々あるかと思いますが、
なかなか難しそうです。

また、フランスを語る上で主要な偉人の姿も多数描かれていますが、
ルイ16世に関しては、考えていたものと相当異なり面白かったです。

フランスという国を改めて考え直すにはとても参考になる書でした。

2020年7月26日日曜日

イタリアの歴史を知るための50章 (エリア・スタディーズ161)

イタリアの歴史のトピックスを深堀りする


"本書は、総勢45名の執筆者による古代から現代までのイタリアに関する50章と13のコラムでこのワンダーランドの歴史の旅を試みている。" (はじめに)

とありますように、イタリア史の様々な専門家が、
それぞれの分野におけるイタリア史について述べる形式になっており、
系統立ててイタリア史を学ぶというよりは、
イタリア史における重要なトピックスを、
それぞれ深堀りするというスタイルです。

従って、イタリア史における最低限の知識があった方が面白く読めるのかな?
という印象ですね。
(私レベルでは良くわからない内容もありました...)

また、それぞれの章が独立しているので、
興味ある分野だけ読むというのもありかと思います。

いずれにしましても、イタリア史全体を概観している本は多くないので、
本書のような存在は貴重です。

ページ数も多く、文字もぎっしりとつまっているので、
非常に読み応えがある本でした。

2020年7月14日火曜日

人物でよみとく物理 田中 幸, 結城千代子, 藤嶋 昭 (監修)

社会人が読んでも面白い


本書は物理を学ぶ上で重要なテーマを15に絞り、
その中で偉大な実績をあげた人物を3人とりあげるという構成となっています。

各自の実績の紹介は見開き2ページにまとまっており、
図解も豊富で分かりやすいです。

本書の特徴として、物理学の理論をわかりやすく説明するのに加えて、
物理学の巨人たちが、どうしてその着想を得たのか?
また、どのように考えたのか?という背景が書かれていることですね。

そういう意味では、物理理論の入門書というより、
物理の歴史書的意味合いも強いかと思います。

数式などは分かりにくい部分もありますが、
そういった物理の流れ的なものを知る意味では、
非常にわかりやすい本かと思います。

総図解 よくわかる 日本の近現代史 倉山 満

変遷するヴァチカンの役割


本書の監修は倉山満ですが、他の執筆陣は、
小野義典、竹田恒泰、久野潤となかなか豪華です。

本書では、日本の近現代史で重要な項目は網羅していおり、
それぞれの項目は見開き2ページにまとまっており、
気になる項目を単独をチェックできるのが魅力です。
本書のタイトル通り、図解が多いのもわかりやすいです。

一方上記の構成故か、
歴史の全体的な流れをつかむという面では、
純粋な初学者にはやや難しいと思われる部分もあるので、
読者の対象は中級者レベルなのかな?と思います。

随所に挿入されたコラムも読みごたえがあり、
非常に重量感のある本でした。

2020年7月11日土曜日

キリスト教から読みとける世界史 内藤 博文

変遷するヴァチカンの役割


本書のタイトルは「キリスト教から読みとける世界史」ですが、
サブタイトルである「ヴァチカンは歴史に、いかに君臨したか」
の方が本書の内容を正確に表しているかと思います。

ヴァチカンのトップであるローマ教皇ですが、
今でこそ「平和の使者」として国際社会において重要な役割を果たしていますが、
本書を通読すると、以前は世俗社会に直接的な権力を持ち、
随分とひどいこともしているのがわかります。

教皇の地位も時代時代によって変遷しており、
教皇と皇帝・王との関係を中心とした歴史を押さえておかないと、
ローマ教皇の現在の地位というのも理解しにくいかと思います。

そういう意味では、西洋史を教皇を軸に再構築した本書は
わかりやすくまとまっており、
世界史を学びなおすには良書ではないかと思います。

2020年7月10日金曜日

はじめてフィンランド: 白夜と極夜 ひとり旅 トナカイフサコ

フィンランドの良さが伝わってきます


本書は、作者が夏と冬にフィンランドを訪れた体験を一冊にまとめたものです。

本書を旅行ガイドとしてみた場合、
必要な情報を網羅しているかと言えば違うとは思いますが、
一番押さえておくべきことをわかりやすく説明しているかと思います。

また、旅行エッセイとしてみた場合、
コミカルな絵とあいまって、非常に楽しい気分にさせてくれます。
個人的には、宿泊先のホストとの交流シーンがほのぼのとして良かったです。

2回の短期間の旅行をこれだけ面白くまとめるのはさすがといったところですね。

ちなみに、作者はナーンタリのムーミンワールドへは、
「大人の自意識の壁」で行くのを断念されたそうですが、
当時アラサー男子の私は迷わず行ってしまいました。

ここだけは是非行ってほしかったですね!

2020年7月8日水曜日

桂太郎――日本政治史上、最高の総理大臣 倉山 満

過小評価されている政治家・桂太郎


このタイミングで本書を世に出した筆者の意図は、
それは本書のはじめににあるように
"今の日本に求められる宰相だからです"
ということかと思われます。

桂太郎の大きな実績の中には、
日英同盟を結び、日露戦争に勝利と言ったことがあげられますが、
これが如何にすごいことなのか?

本書を通読すると、無味乾燥な教科書的な教え方では絶対にわからない、
桂太郎のすごさがわかります。

また、本書ではそんな桂太郎の足を引っ張るのは誰か?
と言った内部の抗争なども遍く記載されており、
ダイナミズムのある読み応えのある一冊でした。

いずれにしましても、
今の日本の国難を打破してくれる桂太郎のような政治家が現れるか?
日本の命運はここにかかっているでしょうが、
果たしてどうなることでしょうか?

一冊でわかるイタリア史 (世界と日本がわかる 国ぐにの歴史) 北原敦 (監修)

イタリア史を簡潔に概観する


イタリア史をローマ帝国から現代に至るまで、
わかりやすくザックリとまとめた本です。

文字も大きく図表も豊富であることより、
大変理解しやすいのは良い点です。

イタリア史というのは、本書の「はじめに」に書かれていますように、
そもそもまとめるのが難しいテーマです。

"「イタリア史とは、一つの国の歴史ではなく、他民族に侵入された6世紀から19世紀までの約1300年間、いくつもの国家が乱立し、盛衰をくり返し、現在の形となったのです。"
(p3)

本書はローマを中心としたイタリアがどのように形成されたかをまとめた本と言え、
世界史的な観点からイタリアを理解するのに参考になりました。

一方、イタリアをより詳細に論じるには、
例えば、シチリア史、ヴェネツィア史など細かく見ていく必要がありますが、
まずは本書でイタリアのメインストリームをつかむといったところでしょうか?