2023年4月11日火曜日

本当にヤバい中世ヨーロッパの暗黒時代 歴史ミステリー研究会

中世の欧州はやはり暗黒時代


本書で取り上げられている中世とは、
ローマ帝国が分裂した395年から、
1648年のウエストファリア条約締結頃からとなっています。

「本当にヤバい」のタイトル通りの印象があるのが、
”1章の中世ヨーロッパの暗黒世界”ですね。

魔女や公開処刑の様子などが細かく書かれており、
ちょっと読んでいてぞわっとする描写もあります。

ただ以降については、純粋な中世の歴史書的な流れで書いてある感じで、
歴史の勉強としては非常に参考になりました。

まあ、普通に書いても、中世ヨーロッパというのは、
現在の価値観からするとかなりヤバい!という事なんだと思いました。

2023年4月9日日曜日

お金の流れで見る世界史 大村 大次郎

古代エジプトは脱税で滅んだ??


本書の表紙を見ると

・脱税で滅んだ古代エジプト
・消費税によって沈んだスペイン無敵艦隊

と言った刺激的な文言が並んでいます。

これらは要するに経済から歴史を見るということで、
学校では習わなかった視点と言えます。

例えば、ナポレオン軍が強かったと教科書ではならいますが、
ナポレオンが強かったのはフランス軍の費用が安かったからと本書は言います。

フランスでは徴兵制の導入により安い費用で大きな軍隊を動かせたが、
他のヨーロッパ諸国は傭兵に高額な必要を払っていたのです。

歴史も結局金かよ~と言われれば、まさにその通り!
というのが本書を通読しての感想で、
崇高な理念とかは二の次かも?って思ってしまいました。

なお、本書は ”お金の流れでわかる世界の歴史 富、経済、権力……はこう「動いた」”
を文庫化したものとのことです。

2023年4月5日水曜日

偽情報戦争 あなたの頭の中で起こる戦い 小泉 悠, 桒原響子, 小宮山功一朗

何を信じたら良いのか?


ロシアのウクライナ侵攻に関するニュースは日々流れていますが、
これらは基本的には西側の情報が軸となっています。

そして、ロシア側からは多数の偽情報が流されているのを我々は承知していますが、
それでは西側の情報はすべて正しいのか?
もちろんそんなことはないとは思いますが、
それでは何が正しい情報なのか??

これらの判断は難しいと思います。

本書は、ディスインフレーション等などのロシアや中国などの外交情報戦略について、
包括的に述べている本で、アカデミックな筆致は説得力があり、
非常に勉強になりました。

と同時に、日本はこういった戦略については周回遅れであり、
我が国は大丈夫か??と不安になる部分も大きかったです。

個別具体的に何がウソで何が本当かを考える前に、
本書を一読してウソを見抜く力をつけるのは有意義だと思いました。

2021年5月24日月曜日

最新科学で探る日本史 安蒜政雄 他 (監修)

科学技術で覆る定説


本書は科学技術の進歩によって覆った定説について、
旧石器時代から江戸時代までで主要なものを取り上げています。

歴史に詳しい方には既知のものも多いかと思いますが、
そうだったのか!と驚くことも多いかと思います。

現代人は縄文人の遺伝子を受け継いでいるのは10%程度とか、
戦国時代の鉄砲の精度はイマイチだったとか、
ちょっと面白い歴史の知識がつくかと思います。

ただし、ムック本で見開き2ページで一つのトピックスを説明しているので、
写真や図表が多いというメリットがある反面、
詳細な説明を期待すると肩透かしを食らうかも?

あくまで、本書をとっかかりに、
歴史の通説はどういう形で覆るのか?
こういった読み方が良いかと思います。

2021年5月15日土曜日

聖徳太子に秘められた古寺・伝説の謎 正史に隠れた実像と信仰を探る 瀧音能之(編) 古川順弘(著)

聖徳太子の謎に迫る良書


聖徳太子についての謎が多く、その謎に迫った本は多いですが、
自説を延々と展開するタイプの本だと、
実際何が謎かが良くわからなかったりします。

本書は、著者独自の視点を紹介しているのはもちろんですが、
異説も丁寧に取り上げており、
聖徳太子について確実にわかっているポイント、
未だに謎で論争になっているポイントが明確になっており、
今現在の聖徳太子の等身大が浮かび上がっているように思えます。

文章も平易で読みやすく、
日本史にそれ程詳しくない方にも理解できるかと思います。

「聖徳太子は実在しなかった!」という説を何となく信じている方は、
本書を読んで、今一度聖徳太子をニュートラルな目で見てほしいですね。


2021年5月11日火曜日

「違和感」の日本史 本郷 和人

歴史好きにはたまらない本


本書は産経新聞に連載中の『本郷和人の日本史ナナメ読み』の
2018年6月7日~21年2月11日掲載分を加筆修正・再構成したものとのことで、
歴史にまつわるエッセイといった文章ですが、
日本史を学びたい人にとっては勉強になることが多いです。

本書の目次は下記のようになっています。

第1章 江戸時代に鎖国はなかったのか
第2章 2代将軍が天皇に激怒の「違和感」
第3章 信長の「天下」とは京都周辺だけか
第4章 なぜ西郷どんは大隈重信を嫌うのか
第5章 「男と女」の立ち位置の行方
第6章 天皇をめぐる歴史の謎
第7章 夏目漱石のワケありな門人たち
第8章 人物を語らない歴史研究でいいのか

個人的には第5章で取り上げられている荻野吟子さんの生き様が印象的でした。
彼女は17歳で近隣の名主と結婚するわけですが、
よそで淋病をもらい吟子にうつしました。

そのことで離婚し、子供が産めなくなってしまうのですが、
その際、男性医しかいない当時のことですから、
男性からの診察は相当屈辱的だったとのこと。
そこで世の女性を救うべく医者になることを志します。

その後の奮闘ぶりが本書に書かれているのですが、
これがなかなか大変で考えさせられるものがありました。

その他の人物も躍動感ある筆致で述べられていて、
あっという間に読了したという感じでした。

バカでも稼げる 「米国株」高配当投資 バフェット太郎

米国株入門としてわかりやすい


米国株式の入門書は最近増えてきましたが、
その中でも入門編としてはわかりやすい一冊かと思います。

米国株式の強み、その中でもなぜ高配当株に投資するのか?
この辺りの説明はわかりやすいかと思います。

しかしながら、投資上級者の方にとっては既知のものが多いと思います。

本書で勧めている投資法は、
アメリカの高配当株を複利投資するというシンプルなものなので、
特別に目新しいものではありません。

また、レビューなどで批判されている通り、
言葉使いが良いとは言い難いので、
こういった文章が嫌いな人も読まない方が良いかもしれません。

後半にはやたらと「クソダサい投資家」という文言が出てきますが、
これにカチンと来る人は多そうですね。